『ファンド銘柄』の戦略




 私たち東京銘柄には、証券会社を経由してファンドの動向情報が入ります。しかし、その「ファンド」にもさまざまな組織があるので、私たちが「ファンド」と呼ぶ組織についてご説明したいと思います。

 まず一般的に、ファンドは「複数の投資家から出資を集め、集めた資金を用いて投資を行い、その事業から発生する収益等を投資家へ還元する組織」と言われています。その中には、企業価値を高めて売却益を得る「プライベート・エクイティ・ファンド」と相場が上昇局面でも下落局面でも利益確保を狙う「ヘッジファンド」が含まれ、私たちからご提供するファンド情報は前者の動きを指します。

 そのファンドにも資金が数億円のものから数千億円のものまで大小ありますが、それらファンドすべてに共通するコンセプトがあります。それは「対象企業の分析を行い、合理的かつ徹底したリスク管理の下で、中長期的な視点に立って投資を行う」という点です。なお、仕手筋もファンド同様に大口投資家と呼ばれる集団ですが、彼らは「法律の目をかい潜りながら利益重視でリスクを取ってでも短期的な利益を狙う」ため、ファンドとはまったく逆の性格をもつ組織であることがわかると思います。

 ただし、まれに仕手筋が中心となり特定の銘柄に対して投資を行う投資事業組合(ファンド)が作られる場合がありますが、その場合はファンドのコンセプトに乗り「リスクを抑えた中長期での投資」が行われることを頭の片隅に置いておいてください。


ファンドの動き方

 次は、ファンドは具体的にどのような取引手法を取っているのかをご説明します。

1.出来高が多く、流動性の高い銘柄を選ぶ
 リスクを抑えることが重要なファンドは、粉飾決算が発覚したり、大災害などの不慮の事態に見舞われた場合のリスクを抑えるため、流動性が低い銘柄は狙いません。小規模ファンドも、時価総額の小さい銘柄を狙うことはあっても、出来高が少ない会社には投資をしません。


2.アルゴリズム(自動売買システム)を利用する
 大きな資金を投入するファンドにとって、買い付け価格のわずかなズレが大きな損失になります。そのため、予算を掛けてアルゴリズムと呼ばれる自動売買システムを導入して取引をさせています。自身の売り買いが価格に影響するリスクを回避するためにアルゴリズムが有効となるのです。


3.株価操作をしないが、見せ板は使う
 ファンドはIR発表を狙った投資や株価を釣り上げるような動きはしませんが、平均取得価格を下げるための見せ板は多用しています。効果的な見せ玉を出して、理想の価格で約定するためにアルゴリズムを採用しているという表現が正しいかもしれません。


ファンド(アルゴリズム)の取引手法

 一般投資家の方々が勝つためには、大口投資家の意図を読み戦略に引っ掛からず、彼らの流れに乗る必要があります。
そのためにファンドがアルゴリズムを使って行う取引の手法をご紹介します。

【特徴その1】見せ板

 希望する価格で株を大量に買い付けるためには、当然多くの売り注文が必要となります。そのために「相場に変化が起きたような感覚」を一般投資家に与え、売り(または買い)を誘い出す際に使われるのが「見せ板」です。
下記の板のような変化が1分間で起きたら、多くの一般投資家は「これは下がる。売りたい」という感情になるはずです。

<1分前>
   

 これがアルゴリズムによって売りを誘い出す「見せ板」の典型です。

【特徴その2】アイスバーグ注文



 アイスバーグ注文とは、少ない株数だけを指値表示し、その株数が約定するたびに、順次新たな指値を分割で追加注文する方法です。板にまとまった注文が現れず、大口注文が一つの組織(ファンドや機関投資家)だと一般投資家に察知されずに提灯をつけるための手法となります。こちらは『ディーラー銘柄』と同様に「歩み値」を見ることでその形跡を確認することができます。

(左図はクリックで拡大)


【特徴その3】見せ板 × アイスバーグ注文

 上記2つを組み合わせたファンドの投資手法がこちらです。アイスバーグ注文はマーケットに気づかれずに最適化された分割注文を行う手段ですが、目的は「目標買い付け価格で多くの株数を取得すること」です。

 そのために、見せ板と組み合わせてアイスバーグ注文を行うことで、一般投資家に「売りたい」という心理状況を与え、下でこまめに拾うことが可能となります。

 アイスバーグ注文が450円にあった500株に400株追加された場合、売りたい投資家は直下の買い板(900株)にぶつけるために成行での売り注文を行います。しかし、板にある900株が約定した直後にアルゴリズムは、700株、800株、900株と450円での指値注文を分割で追加してくるため、いつまで経っても450円を下回ることなく売り注文(成行)が消化されていきます。この手法により目標価格である450円で欲しい株数でのポジションを作り終え、見せ板をすべてキャンセルするとファンドの仕込みが完了します。

 なお、売却時も同様の手法で一般投資家の買い注文を集め、目標価格での売却を行います。


『ファンド銘柄』の対策

 ディーラー銘柄に比べて、ファンド銘柄の対策は簡単です。
ファンド銘柄はすぐに急上昇する銘柄ではありません。上記のような手法でファンドが集めた銘柄を『ファンド銘柄レポート』として配信いたしておりますので、そちらをご参考に2〜8ヶ月を目安とした中長期での投資銘柄としてチェックしてください。


ファンド銘柄のサンプルはこちら


東京銘柄の無料メールマガジンの購読をご希望の方は、
下記のフォームにメールアドレスをご登録ください。

メールアドレス