『ディーラー銘柄』傾向と対策

2016年5月9日


 まず、証券ディーラーはどのような手口で利益をあげているかをご存知でしょうか?

 ディーラーが日々の業務で利益を重ねる銘柄には大きく分けて「相場に乗る銘柄」と「相場を作る銘柄」の2つがあります。1つ目の「相場に乗る銘柄」とは、すべての投資家が狙っている「買いが優勢で上昇に勢いがでた銘柄」のことを指し、その銘柄に順張りで利益をあげるという一般的な投資手法です。

 注目すべきは、私たちが『ディーラー銘柄』と呼ぶ「ディーラーが相場を作る銘柄」です。こちらの銘柄では、戦略的な手順でディーラー自らが上昇相場を作り、個人投資家の買い注文を巻き込みながら大きな利益をあげていきます

 つまり、皆さまがデイトレーダーとして勝ち組になる為には、この手口を把握し、ディーラーが作った波に乗り、ディーラーと同様に(むしろディーラーより早く)利益を確定することが必要となります。ディーラーはその日の朝に決めた対象銘柄『ディーラー銘柄』に対して、以下の3つの手順で利益をあげています。

      ①仕込み(株の取得) 
        ↓
      ②仕掛け(株価の上昇)
        ↓
      ③利益確定(株の売却)



【特徴的なディーラー銘柄のサンプル】

 上記がディーラー銘柄として上昇する際のチャートです。ディーラーが3つの手順を30分の間に行い、大きな利益を出しています。この手口にいち早く気付き対応することが個人投資家がデイトレードで勝つ方法です。なお、ディーラーの動きは「板には現れず、歩み値のみで察知することができる」ので、歩み値を中心に3つの手順をご紹介します。
 

証券ディーラーの動き方

【特徴その1】仕込み時

 まずご理解いただきたいことは、仕込み時のディーラーの目的は「個人投資家に気付かれずに、低い価格で、出来るだけ多く買い集めること」であるということです。それを前提に以下の特徴をご覧ください。

  1. できるだけ低い価格で買い進める

     ディーラーの仕込み時の目標取得価格は曖昧です(ファンドの目標取得価格は明確)。売りが多ければ目標価格で買い、売りが少ない場合でも1円でも利益が出せると判断すれば買い進めていきます

     売りが少ない銘柄をディーラーが狙った場合は、複数回の注文で買い上がるため、結果としてチャートには陽線が階段状に描かれます(上記サンプルチャート参照)。事前に想定していた予算分を仕込めた時点で、その銘柄を「仕掛けのタイミングを見計らう対象」として扱います。

     

  2. 指し値注文で現在値より上値を取る(板に買い注文を並べない)
     ディーラーの株の取得方法は特殊です。仕込みの動きを個人投資家に把握されてしまっては仕掛け段階で個人投資家が買いに走らない(提灯がつかない)ため、目標価格まで下がった段階で現在値の上値を指し値注文で拾う注文を行うことで、仕込みの気配を板には残しません。個人投資家が一般的に行う現在値より下値での指し値注文は行わないという特徴があります。(右図)
     
  3. 取得価格を下回っても手仕舞わない
     仕込みが終わった「ディーラー銘柄」はその日の内にいずれディーラーが株価を吊り上げる銘柄です。つまり、その指揮を取るディーラーは仮に最終的な取得価格より株価が下回ってもすぐに損切りはしません。
     

【特徴その2】仕掛け時

 仕込みが完了したら、次は「提灯をつけて価格を吊り上げる作業(=仕掛け)」に入ります。個人投資家に対して「この銘柄は上昇トレンドに変わった!」という印象を与え、小口の買い注文を促すことが目的です。仕掛けこそがディーラーにとって腕の見せ所であり、経験値の差がでる難しいポイントとなります。

  1. 板に売り注文が減ったら成行注文で仕掛けを開始

     ディーラーは手持ちの予算を「仕込みの予算」と「仕掛けの予算」に配分しています。限りある仕掛けの予算を効率的に使うため、「売り注文が減ったタイミングを狙った成行注文による大きな買い増し」を行い、株価上昇の狼煙(のろし)を上げます。

     

  2. さらに連続した買い上がりで提灯をつける
     仕掛け開始後に平均3〜4回に分けた連続した成行注文を続けることで段階的な上昇チャートを描き、個人投資家の買いエントリーポイントを作ります。複数本の陽線を作り、レジスタンス(抵抗線)を抜くことで、相場のトレンド転換をより多くの投資家に意識付けることで、利益確定に向け株価のピーク(頂点)を吊り上げます。

     

  3. 10時〜10時半または14時〜14時半に仕掛けが増える
     相場を作る主導権を持ったディーラーですが、同時に「利益を確保しなければならない」「オーバーナイトしてはならない」という上司の圧力の元で働くサラリーマンとしての事情です。。「動きの少ない銘柄だし、早めに仕掛けて残り時間での収益機会を増やしたい」や「良いタイミングがなかったけど、いよいよ仕掛けないとマズい」という心理的な傾向が表れる時間帯は自然と共通性を持ちます。
     

【特徴その3】利益確定時

 仕掛けの完了により提灯をつけることができた場合、ディーラーは当然ながら利益確定の動きに移ります。

  1. 仕掛け完了後はすぐに利益確定

     「仕掛けが完了した」ということはつまり「株価を吊り上げることに成功した」ということです。その場合、優秀なディーラーほど利益の確定は早く、場合によっては全株を成行注文で投げ売って利確するディーラーも少なくありません。

     

  2. 仕掛けが失敗した場合は即撤退
     稀にそのディーラーの予想&予算を上回る売り勢力が動く場合や外部環境の変化が起きる場合もあり、その際は優秀なディーラーほどいち早い撤退に切り替えます。ディーラーは「1円でも取れれば良い」という意識で日々の業務を行っていることをお忘れなく。

『ディーラー銘柄』の対策

 ディーラーがどのような戦略で株価を吊り上げているかをご理解いただけましたしょうか?
次は『ディーラー銘柄』に対する対策をお伝えいたします。

対策その1 分析ツールのポイント

  1. チャートは3分足のみチェック
     ディーラーは3分足しか見ません。つまり、1分足や5分足ではディーラー銘柄の正しい動向を把握することできません。ディーラー銘柄を狙う場合は3分足をチェックしてください。
     
  2. 板は見ずに歩み値(出来高&約定値)のみを監視
     ディーラーは現在値の上値を指し値で取りに来るので、その動きは板には現れません。ディーラーが仕込みを行った足跡は「歩み値(出来高&約定値)」にのみ残ります。取引が活発な銘柄の「歩み値」をチェックした際に、ある程度のまとまった注文が複数回あり、まだ大きな上昇が始まっていない場合は「ディーラーの仕込み」である可能が高いと判断してください。
     
  3. 約10銘柄あるディーラー銘柄を一覧で表示
     東京銘柄から配信する銘柄は、平均10個ほどです。それらの中で仕込みが始まった銘柄を判断する方法は上記の2ですが、どの銘柄で仕込みが始まったかを見つける方法は“取引の活性が上がった銘柄”に気付くことです。そのために対象銘柄を一覧でチェックでき、取引頻度の高い銘柄を発見できる環境をご用意ください。


対策その2 取引ルールのポイント

  1.  ディーラーの仕掛けが始まったら5%の利益で利確の体制に
     仕込み済みの銘柄を見つけ、低い位置でポジションを持てた際は、仕掛けが始まり上昇した時点で5%の利益での利益確定をお勧めしています。ディーラーの中には、仕掛けを1分以内に完了し、高値をつけた瞬間に“成行ですべてを売り抜ける”ディーラーも多く存在します。大きな利益を狙い過ぎると彼らが売り抜けた後の焼け野原で、マイナスポジションだけを持つハメになってしまいます。
     
  2.  1.5〜2%の損失が発生したらロスカット
     ディーラーが仕込んだ銘柄でも、相場状況(為替や日経平均の変動など)によっては仕掛けを行わずに手仕舞いする場面があります。その場合、下で買い支えていた底が外れるため、想定以上に大きく値が崩れることがあります。1回の損失でそれまでの利益をすべて飛ばしてしまっては、いつまで経っても資産は築けません。ロスカットの際は感情を持ち込まず「2%以上の損失は無条件にカット」という徹底したルールを実行できるかが鍵になります。
     
  3. 短期トレードでは『ディーラー銘柄』以外に手を出さない
     私たちが配信する『ディーラー銘柄』は、東京で活躍する複数のディーラーが実際にその日に狙っている銘柄です。その厳選された約10銘柄だからこそ「これは仕込みの疑いアリ」という判断ができるのであって、根拠のない多くの銘柄の中から仕込みを見つけることは私たちにも至難の業です。この「ディーラー銘柄の傾向と対策」は、東京銘柄が毎朝配信する銘柄以外では、ほとんど当てはまらないのでご注意ください。
     


ディーラー銘柄のサンプルはこちら


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